時評 7 “選挙” by 上野修

戦争が起きると、とりわけ文化的フィールドにおいては、瞬く間に反戦、非戦の声が沸き上がり、メディアと戦争の関係が語られる。だが、選挙においては、とりわけ文化的なフィールドからは、不気味なほど何の提言もなされない。これは不思議なことではないだろうか。

「政治にも関心がないし、難しいことはわからないが、とにかく人を殺すことはいけない、黙っていられない」といった行動原理に倣うなら、今回の衆議院選挙にも、もちろん意味合いは違うものの、おそらく同じ程度には正当な、従うべき行動原理を考えることができるだろう。あえて説明はしないが*1、それは、政治に関心がなくて、難しいことがわからなくても、1975年以降生まれの人は必ず選挙に行くべきだ*2、ということだ。

(1)理由は、現在推計人口の人口ピラミッド、投票率いろいろの年齢別投票率あたりを参照。
(2)ひと昔前の言い方をするなら、無根拠に投票する、といったところか。