Keiko Sasaoka/笹岡 啓子
“PARK CITY” 2017/08/09 - 2017/09/03 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN
笹岡啓子は、2001年から2009年にかけて広島平和記念公園とその周辺を撮影し、写真集『PARK CITY』(インスクリプト、2009年)を出版しました。その後も各地での写真展開催や東日本大震災による被災地域の撮影(『Remembrance』)、また『photographers’ gallery press no.12』での広島取材などを通じ、継続して公園都市・広島へ関心を寄せてきました。本展は10年を超えて継続する本シリーズの新作および近作により構成され、都内での同シリーズ個展としては3年ぶりとなります。広島の記憶に対して、安易な理解や共感に陥ることなく、忘却の淵にある固有の出来事とその複雑さをひとつひとつたぐり寄せるような試みは、現在の我々のあり方を再考する作業ともいえるでしょう。
助成/アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
レクチャー&トーク 8月11日(金祝)16:00〜18:00
本展関連イベントとして、ゲストを迎えたレクチャー&トークを開催致します。
1)レクチャー:西井麻里奈「臭跡をたどる ───「復興」が生み出す排除と流動」
“戦後から50年代にかけて「復興」の名のもとに立ち退きを迫られた人びとが訴えを表明した「陳情書」。それらの貴重な史料をいまへ残された具体的な声の証としてひとつひとつ読み解いていきます。《そこにいてはいけない》存在とされ、生き得る場所を求めて流動を続けた人びと。達成されたとされる広島「復興」の影にかろうじて残された彼らの微かな臭いの跡から、現在の広島を照らしていきます。”
2)トークセッション:西井麻里奈、東琢磨、笹岡啓子
参加費:1000円 定員25名(要予約)
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▼スピーカー略歴
1988年愛知県生まれ・大阪府在住。大阪大学大学院博士後期課程在籍中。現代史研究。日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、現在大阪国際大学非常勤講師。広島の戦災復興を生活・社会史の視点から研究。論文に「遺骨から見る原爆死没者慰霊碑 : 濱井信三における「復興」と「平和」の狭間」(『待兼山論叢日本学篇』49号)など。
音楽・文化批評。広島県生まれ・在住。ヒロシマ平和映画祭実行委員、連続ティーチ・イン沖縄実行委員、東京外国語大学、成蹊大学、広島女学院大学講師などを経て、現在も各種プロジェクトに参加。主著に『全−世界音楽論』(2003)・『違和感受装置』(2003)・『ラテン・ミュージックという「力」』(2003)・『ヒロシマ独立論』(2007)・『ヒロシマ・ノワール』(2014) ほか多数。
1978 年、広島県生まれ。東京造形大学卒業。「PARK CITY」(銀座ニコンサロン・東京、2008 年)、「Difference 3.11」(銀座ニコンサロン・東京、2012 年)、「日本の新進作家 vol. 11 この世界とわたしのどこか」(東京都写真美術館、2012年)、「種差 ―よみがえれ 浜の記憶」(青森県立美術館・青森)、ほか個展・グループ展多数。