Keiko Sasaoka/笹岡 啓子
“SHORELINE” 2021/09/18 - 2021/10/01 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN

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本展では、2011年から2020年までに撮影された日本各地の山々や海岸線の未発表作を展示致します。いずれもその地理的条件のもとで、長い年月を重ね変化を続けている場所です。
笹岡は東日本大震災後の取材のなかで「島原大変・肥後迷惑」という言葉を知り九州へ向かいました。「島原大変」とは1792年に起きた雲仙普賢岳の火山性地震による山体崩壊を指し、その大量の土砂は有明海へ流れ込み、大津波を起こしました。その被害は島原ばかりでなく、対岸の肥後・天草(熊本県)にも及び、最大で50mを超える津波の記録が残されているといいます。後の普賢岳は1990年から5年間続いた噴火でも、多くの犠牲を伴う火砕流が発生し、その溶岩の噴出により成長した平成新山が現在、雲仙岳の最高峰としてそびえています。

2011年の東日本大震災以降、笹岡啓子は大きな災害から個々の復興へと向かう現在進行形の場所に、撮ることで向き合ってきました。一方で、活動の最初期からのテーマである海岸線や火山など、地勢や地表が刻むその土地の過去や経過にも関心を寄せてきました。「SHORELINE」は、時制を超えた「地続きの海」を現在の地形から辿り、連ねていく試みでもあるのです。

展示内容/インクジェットプリント 15点
撮影地/雲仙普賢岳・平成新山、霧島連山、桜島、茶臼岳ほか

“山の高さや傾斜は、そのまま麓の海の深さを示すという。だから海を眺めることはその背後の山を仰ぐことに近しく、山を歩くことはその川が注ぐ海を知ることに連なっていく。
この時代の海と陸とを撮っている。当然、それは大昔に誕生し、変動を繰り返しながら現在に至ったものだ。その海と陸、過去と未来の狭間に私たちが立っていたことを残しておきたい。この山の稜線はいつの日か波の打ち寄せる岸壁になっているかもしれない。この磯はやがて陸地になり、未来の人々が暮らす土地になっているかもしれない。その時、彼らにとってこれらの写真が、化石や地層のような発見であったとしたら嬉しいと思う。”


笹岡啓子『SHORELINE』

震災から5年目を迎えた2015年より、笹岡は小冊子シリーズ『SHORELINE』(KULA)の刊行をスタートさせています。2014年以降の三陸、福島の被災地域のほか、日本各地の海岸線や海の記憶をもつさまざまな地域を交え、現在まで39号が刊行されています。
B5判変型/8+1頁/カラー 発行:KULA 定価:300円(税込)

【9月18日発売予定】
SHORELINE 40

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