Keiko Sasaoka/笹岡 啓子
“SHORELINE” 2017/12/08 - 2017/12/24 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN

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本展では、2012年から2017年にかけて、福島県の浜通りに位置する楢葉町のある定点から撮影された作品を展示致します。地震と津波のみならず、原発事故の被害にも見舞われた楢葉町では、直後から2012年8月まで警戒区域に指定され、立ち入ることができませんでした。2013年頃より除染作業が本格的に開始され、2015年には避難指示が全域で解除されています。定点からの経過観察によって、復興事業における除染作業や土地整備の工程だけでなく、それにともなった地勢の変容が浮き彫りになります。

向かい合う別室(KULA PHOTO GALLERY)では、山形県と宮城県にまたがる奥羽山脈の蔵王連峰の雪景を写した新作が発表されます。日本海の湿気を含んだ季節風がもたらす雪雲と蔵王連峰の針葉樹が世界的にも珍しい樹氷群という特有の現象で知られています。

2011年の東日本大震災以降、笹岡啓子は大きな災害から個々の復興へと向かう現在進行形の場所に、撮ることで向き合ってきました。一方で、活動の最初期からのテーマである海岸線や火山など、地勢や地表が刻むその土地の過去や経過にも関心を寄せてきました。「SHORELINE」は、時制を超えた「地続きの海」を現在の地形から辿り、連ねていく試みでもあるのです。
 【展示内容/インクジェットプリント9点 福島県楢葉町、インクジェットプリント3点 蔵王】



笹岡啓子『SHORELINE』

震災から5年目を迎えた2015年より、笹岡は小冊子シリーズ『SHORELINE』(KULA)の刊行をスタートさせています。2014年以降の三陸、福島の被災地域のほか、日本各地の海岸線や海の記憶をもつさまざまな地域を交え、現在まで24号が刊行されています。
B5判変型/8+1頁/カラー 発行:KULA 定価:300円(税込)

【12月8日発売予定】
SHORELINE 29: 蔵王 30: 福島潟 31: 浜通り 32: 南三陸
[Latest issues will be published on 8th Dec.]
Keiko Sasaoka “SHORELINE” 29-32

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