disPLACEment — 「場所」の置換 下薗城二・宮内理司 展 企画・展示構成:土屋誠一 2005/05/28 - 2005/06/10 12:00 - 20:00 月曜休 / MON CLOSED
写真という視覚メディアが、美術作品のように展示されることに対して、一般的に承認されるようになったのは、 そう古いことではありません。プライヴェートな記念写真から、実用的な資料としての記録写真、さらには広告 や報道といったマスメディアにおける写真まで、その裾野を広げる写真において、画廊や美術館に「芸術作品」 として展示される写真のみを特権化することはきわめて難しいでしょう。 このたび出品を依頼した写真家は、いずれも撮影された場所や、その意味を特定することが困難な風景を、撮 影しています。そのような「場所」の不明確さに相対して、たとえば今回のように新宿という特定の場所のみに おいて写真が展観されるという事は、
一体どういった訳なのでしょうか? 本展では、2人の写真家の作品に基づき、写真とそれにともなう「場所」の諸問題を、ギャラリーという特殊な 空間において考察します。しかし、それは写真というジャンルのみの問題ではなく、世界のグローバル化によっ て「場所」の固有性が不確かなものになる一方、民族的な原理主義のように「場所」の固有性に根ざした、暴力 を伴う対立が激化しているという、両極的な「場所」を生きる私たちにとって、極めて現代的な「問い」になる ことでしょう。 土屋誠一(美術批評家)
同時出版物
『disPLACEment vol.1』(発行責任/土屋誠一)
2005年5月発行 A4判
発売/photographers’ gallery
定価/200円(税込)
2005年5月発行 A4判
発売/photographers’ gallery
定価/200円(税込)