人類館写真を読む:第2回北島敬三WORKSHOP写真塾 公開講座
人類館写真を読む
内容紹介(文責:小原真史)
1903(明治36)年、大阪天王寺で第五回内国勧業博覧会が開催されました。それまでの内国博覧会を大きく上回る規模と諸外国からの参加により万国博覧会的な要素を備えた博覧会となり、会場には植民地パビリオンの台湾館も建設されました。また場外には、「学術人類館」と呼ばれる余興施設が作られ、台湾原住民やアイヌなどが展示されましたが、生身の人間を展示した人類館に対しては、国内外から抗議の声が寄せられ、騒ぎとなりました。
本講座では、近年新たに発見された人類館の写真3枚に加え、19世紀中頃から欧米の博覧会で盛んに行われていた「人間の展示」についての写真や絵葉書などを実見しながら、「帝国の視線」と写真の関係を探ります。
その後の小原、倉石、北島によるトークでは、明治期の「北海道開拓写真」や、人類館以後に「人間の展示」が行われた大正期の拓殖博覧会などをテーマに「帝国日本」と写真について討議します。
「人類館写真を読む」
開催日:2018年1月21日(日)
会場:photographers’ gallery
講演(16:00〜17:00):
小原真史「人類館と植民地博覧会の写真」
討議(17:10〜18:30):
「人類館写真と帝国版図への視線」
小原真史、倉石信乃、北島敬三(司会)
聴講費:2,000円
定員25名・要予約
※ご予約後、お客様のご都合によりキャンセルされる場合はお手数ですがご連絡をお願い致します。連絡なしでご欠席の場合、後日聴講費をご請求させていただく場合がございます。スペースの都合上、定員に限りがありますので、ご理解のほどなにとぞお願い致します。
[2018/1/18]定員に達したため、キャンセル待ち予約となります。
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小原真史/Masashi Kohara
1978年生まれ。映像作家。東京藝術大学・東京工芸大学非常勤講師。2004年、「中平卓馬試論」で第10回重森弘淹写真評論賞受賞。監督作品に『カメラになった男—写真家 中平卓馬』がある。著書に『富士幻景—近代日本と富士の病』、『時の宙づり—生・写真・死』、『戦争と平和—〈報道写真〉が伝えたかった日本』、『森の探偵—無人カメラがとらえた日本の自然』(共著)ほか。IZU PHOTO MUSEUM研究員として「荒木経惟写真集展 アラーキー」、「宮崎学 自然の鉛筆」展、「増山たづ子 すべて写真になる日まで」展などを担当。
倉石信乃/Shino Kuraishi
1963年生まれ。明治大学教授。近現代美術史・写真史。1988~ 2007年、横浜美術館学芸員としてマン・レイ展、ロバート・ フランク展、菅木志雄展、中平卓馬展、李禹煥展などを担当。 1998年重森弘淹写真評論賞、 2011年日本写真協会賞学芸賞を受賞。主な著書に『スナップショット―写真の輝き』(2010年)、『反写真論』(1999年)、『失楽園 風景表現の近代 1870-1945』(共著、2004年)など。
北島敬三/Keizo Kitajima
1954年生まれ。日本写真協会新人賞、木村伊兵衛賞、伊奈信男賞、日本写真協会作家賞、東川賞国内作家賞、さがみはら国内作家賞を受賞。写真集に『写真特急便 東京』(全12冊)、『NEW YORK』、『A.D. 1991』、近刊に『PHOTO EXPRESS TOKYO』、『USSR 1991』など。国内外で写真展を多数開催。現在、2001 年に創設した photographers’ gallery を拠点に、「UNTITLED RECORDS」を制作・発表している。