第18回 photographers’ gallery講座 「Printed Matter/プリンティッド・マター オルタナティヴ・ネットワークの中の写真」
第18回 photographers’ gallery講座
連続講座
「不確定地帯—コンセプチュアル・アートと写真」(全5回)
第五回「Printed Matter/プリンティッド・マター — オルタナティヴ・ネットワークの中の写真」
講師:林道郎(美術批評) 司会:斎数賢一郎
2007年7月7日(土) 18:00~
講座概要
1970年、ニューヨーク近代美術館で開催された「インフォメーション」展では、95人のアーティストがそれぞれカタログの1ページを担当し、そこで写真、ドローイング、もしくはテクストを使用して自らのステイトメントを発表しました。こうした傾向は世界各地で同時多発的に行われており、絵画、彫刻、写真などの多くのメディアを綜合する場として、あらためて印刷物(Printed Matter)が重要視されました。ここでもっとも力を発揮したのが写真です。ではこのネットワークにおいて、写真はその性質を変容させたのでしょうか? 連続講座最終回では、コンセプチュアル・アートの社会的接点である雑誌、展覧会カタログ、アーティストブックなどの印刷物から、このアートと複製メディアとしての写真との関係を議論していきます。
講座報告
連続講座の最終回は、コンセプチュアル・アートにとって写真とは何だったのかをめぐって、コンセプチュアル・アートの総ざらいをするとともに、そこで写真が果たした機能について、その印刷物との深い関わりから語って頂きました。中立・中性の透明なメディアとして写真が戦略的に使用される動きがあった一方で、不透明なメディアとして写真を捉え、その意味生産プロセスへの関心からメタレベルで写真を追究する姿勢が重要な動きとして挙げられます。また印刷物との関係においては、林氏自身の蔵書を例に、写真の流通システムへの関心がオルタナティブなメディアとしてのアーティストブックの中に結実され、写真への総体的な反省がなされている様子が詳解されました。質疑応答でもまた、制度批判を含めた総体的な作品制作について意見交換がなされました。
連続講座の最終回は、コンセプチュアル・アートにとって写真とは何だったのかをめぐって、コンセプチュアル・アートの総ざらいをするとともに、そこで写真が果たした機能について、その印刷物との深い関わりから語って頂きました。中立・中性の透明なメディアとして写真が戦略的に使用される動きがあった一方で、不透明なメディアとして写真を捉え、その意味生産プロセスへの関心からメタレベルで写真を追究する姿勢が重要な動きとして挙げられます。また印刷物との関係においては、林氏自身の蔵書を例に、写真の流通システムへの関心がオルタナティブなメディアとしてのアーティストブックの中に結実され、写真への総体的な反省がなされている様子が詳解されました。質疑応答でもまた、制度批判を含めた総体的な作品制作について意見交換がなされました。
米田拓朗