Kazutomo Tashiro/田代一倫
『はまゆりの頃に 三陸、福島 2011〜2013年』
Kazutomo Tashiro/田代一倫
『はまゆりの頃に 三陸、福島 2011〜2013年』
¥4,180
〈Content〉
2013年さがみはら写真新人奨励賞受賞!
— 「被災地」と「他者の限界」とは?
全488 ページ。掲載写真453 点。撮影人数のべ1200人。史上類のない写真表現。
2011~2013 年春。変貌を続ける被災地、東北へ。自らを〝よそ者〟とする33 歳、新人写真家が迷い、考え、挑んだ、無謀かつ偉大な一期一会の記録。真っ向勝負の肖像写真453 点と覚書き。
いまだ、あまりに記憶は生々しい。< そのとき>を振りかえる余裕など、きっとない。もしかすると、この写真集は< そのとき>からの時間を抱いて、思いがけぬ変容を遂げてゆくのかもしれない。だから、これは未来を抱いた写真集である、と呟いてみる。(赤坂憲雄)
写真家は人間と対峙するというより、静粛に寄り添い、両者の誠実で透明な反応がそこに現れ出ている。(伊藤俊治)
田代の写真は、「思い」を呼び寄せる。私たちは、そこに映し出された被災者の「表情」や「たたずまい」から、想像を喚起させられる。(中島岳志)
田代は、自分が写すポートレートの像主との間合いをつねに測っている。慎重だが臆病ではない距離の計測だ。ただひとつ「余所者」であることの位置だけが、忘れてはならない己の皮膚への文身のように、銘記されるかのようだ。(倉石信乃)
震災発生から逸早く被災現場に入ってカメラを向け、自らの正義と義務とを疑うことなくすぐさまメディアに載せて、写真に関わる者の社会的責任と職業を全うしたと考えることとの対極にある。田代一倫がこれから後、葛藤や戸惑いを失わないこともまた写真を撮り続けたことと重なり合って継続されていくことになる。(大島洋)
田代一倫写真集
『はまゆりの頃に 三陸、福島 2011〜2013年』
菊判(225 ㎜ ×148 ㎜)/488頁+別刷折込/カラー453点掲載
装丁:鈴木成一デザイン室
発行日:2013年11月8日
発行:里山社
定価:3800円+税
折込寄稿執筆=赤坂憲雄(民俗学)、伊藤俊治(美術史家)、大島洋(写真家)、倉石信乃(写真批評・詩人)、中島岳志(南アジア地域研究・近代政治思想史)
Profile: https://pg-web.net/members/kazutomo-tashiro/
田代一倫|Kazutomo Tashiro
写真家。1980 年福岡県北九州市八幡生まれ。2006 年、地元、福岡の高校生のポートレートを撮影した初個展「浮憂世代」(新宿ニコンサロン・東京)で第8 回三木淳賞奨励賞を受賞。2006 年より、福岡市にて、写真家自身で運営するギャラリー< アジア フォトグラファーズ ギャラリー> の設立、運営に参加し、自身の故郷を撮影した「八幡」のシリーズを継続的に発表。2010 年に活動の拠点を東京に移し、