Masashi Otomo/大友真志
『Grace Islands—南大東島、北大東島』

Masashi Otomo/大友真志 『Grace Islands—南大東島、北大東島』

Masashi Otomo/大友真志
『Grace Islands—南大東島、北大東島』

¥3,520

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北海道出身の写真家・大友真志による第1作目の写真集。琉球弧からはじき出されたように太平洋に浮かぶ南大東島と北大東島。かつて無人島だった島は、明治期に開拓が着手されて以来、製糖の島として現在に至る。隆起した断崖、荒い肌をもつ石灰岩、緑なす丘陵、池沼を有する平地。大友が写す南・北大東島には、孤島固有の地勢や植生とともに、約100年の入植の歴史がもつ時間的な厚みが切り離されることなく示され、歴史と不可分にしかあり得ない風景の原質へと観者をいざなう。

▼本書テキスト「島の開け」より
倉石 信乃 (写真史)
おそらく大友の風景写真の性格を特徴的なものにしているのは、主題や被写体と呼びうるものからの遠ざかりと、風景を「そこ」に停留させておくことへの意志なのだ。だからその風景との対峙はいつも、「写す」というよりも写り込んでしまうものを再び注視することによって成り立っている。風景とは、ついに特定の要素への集中的な関心に還元しては見失ってしまう「全体」のことだと、大友の写真は伝えている。

▼推薦文
仲里効 (批評家)
ウフアガリ島ともボロジノアイランドとも呼ばれ、無人島からシュガーアイランドになった百年の島。写真家の眼は人間と自然の営みの閾を凝視する。無人の風景に殖民と開拓の痕跡が瞬き、亜熱帯の植物たちは始原の夢を繁茂させる。
この静けさ、この寂しさ、そしてこの烈しさ。凝視する果てに、百年の時は巡り、写真はグレイスアイランドというもう一つの島の誕生を告知する。孤島が存在論を織る、稀なる眼の行為がここにはある。

島田 雅彦 (小説家)
何か落ちているのか、誰か潜んでいるのか、もう終わったのか、これから始まるのか? ここには動詞も形容詞もない。この静かな風景、この何もなさは不穏だ。見過ごすことは容易だが、見てはいけないものが隠れている気がするし、風景に見返される不安もつきまとう。土くれやサトウキビや雑草や廃墟ばかりを捉えた一連の写真は、日本人の無意識を照らし出す心霊写真になっている。

平倉 圭 (芸術論・知覚論)
大友真志の写真には「距離」があり、その距離の正確さが私から声をうばう。親密でも壮大でも客観的でもない中間的な距離の領域で、大友の視覚は、いかなる目標ともすさまじさとも関わることなく孤絶している。孤絶の高さは眼前の矩形を静かに切り閉じ、写真にしかなしえぬ仕方で、私を島のただなかに置き去りにする。このような孤絶にだけ価値があるのだ。

大友真志写真集『Grace Islands——南大東島、北大東島』
B5変型/上製/88頁 (モノクロ・カラー)
テキスト:倉石信乃「島の開け」
発行:KULA
発行日:2011年8月23日
定価:3,200円+税
ISBN 978-4-907865-10-8

Masashi Otomo Grace Islands: Minami Daito and Kita Daito Island
Book release date: August 23, 2011
88 pages, Hard cover
Text by KURAISHI Shino
Published by KULA
price: 3,456 yen (tax included)
ISBN 978-4-907865-10-8


Profile: Profile: https://pg-web.net/members/masashi-otomo/
大友真志|Masashi Otomo
写真家。1978年、北海道北広島市生まれ。1999年、専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。2004年よりphotographers’ galleryに参加。北海道開拓の記録で知られる写真師・田本研造を特集した『photographers’ gallery press no. 8』(2009年)の編集責任を務めたほか、多くの活動に携わる。2010年には、連続写真展《Mourai》を1年間にわたり開催するなど、個展・グループ展多数。おもに北海道各地の風景と、北広島に住む家族のポートレートを制作・発表する傍ら、サハリンや大東島などでも撮影している。

Photographer. Born in Hokkaido in 1978. Graduated from Tokyo Visual Arts College in 1999. Participates in the photographers’ gallery in Tokyo since 2004. He maily takes family portraits and landscapes of Hokkaido. In 2009 he served as the editor-in-chief of photographers’ gallery press no. 8, which featured the work of the photographer Kenzo Tamoto who is known for recording Hokkaido Land Development at the end of the 19th century. His solo shows include “Mourai” (a yearlong exhibition in 13 installments at the photographers’ gallery and Ikazuchi, Tokyo, 2010).