岸幸太は、2021年7月から「連荘」と題した写真冊子シリーズの刊行と写真展の開催を継続して展開しています。岸が長年にわたって撮影を重ねてきた大阪の釜ヶ崎、東京の山谷、横浜の寿町に加えて、隣接する大阪市生野区や浪速区、東京都荒川区や墨田区、川崎市川崎区などへも撮影地を拡げる「連荘」は、写真を撮ることでそれぞれの街の歴史を嗅ぎとろうと探求を続ける岸の新たな制作を展覧していく試みです。
第4回となる本展は、大阪市南部、京都の崇仁地区やウトロ地区、東京都東部などで撮影された写真で構成されています。古びたアーケード街、再開発による立ち退きで残された空き家や建物、道端に座り込む人や散乱する廃棄物などの写真。これらの写真からは、それぞれの街と街を結びつけながら、普段私たちが見過ごしてしまうような人の姿や物の在りようを観念や感情の向こう側で注視する作者の一貫した姿勢が感じられます。本展にあわせて、写真冊子『連荘』の第4号を刊行します。ぜひご高覧ください。

【展示内容／インクジェットプリント、カラー】

▼『連荘4』　【9月26日発売】 A4判／中綴じ／カラー36頁／定価1,500円+税　発行：KULA　発売：photographers’ gallery
https://pg-web.net/shop/pg-kula/renchan-4/

【同時開催】 Keizo Kitajima／北島敬三「PORTRAITS-L」
2023年7月23日〜10月15日　*8/14-8/19、9/4、9/20-25は休廊
KULA PHOTO GALLERY（photographers’ gallery同フロア）