Kota Kishi/岸 幸太 “潮騒” 2024/07/30 - 2024/08/12 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN
岸幸太は東日本大震災後の2013年に福島県の沿岸部である、南相馬市や浪江町、富岡町、楢葉町に通い、砂浜に打ち上げられた漂着物を使用し、組み上げた「GAREKI Heart Mother」を制作しています。
ここにある写真はすべて2011年3月11日以降に行き場を失ったガレキの記録である。かつて持ち主があり必要とされていたこのガレキに関わるためには直接触り、匂いや重さ、傷みや汚れを感じることが私には必要だった。横たわる流木を担ぎ身体をぶつけては立たせ、砂に埋もれた毛布や衣類を引きずり出しては広げ、カラフルな浮きや船板、空き容器、ゴムチューブや車のタイヤなど、心惹かれるものなら抱え込んでは積み上げ続けた。
当時のメモには、震災及び福島第一原発事故への意識や制作に対する葛藤など岸の複雑な心情が吐露されています。
「潮騒」は「GAREKI Heart Mother」から10年を経て、2024年1月からKULA PHOTO GALLERYで展開しているシリーズです。波風にさらされた漂着物、打ち寄せる波、砂浜に残る波跡、移り変わる雲や空、漂着物を組み上げたものなど、これまでに記録してきた写真を何度も見直しながら再考し、新たに制作を重ねていく試みです。
本展では後に青森県下北郡佐井村や東通村、千葉県旭市で撮影された写真とともに2013年に福島県沿岸部から持ち帰った流木や布、浮きを組み上げた作品で構成されます。
【展示内容/インクジェットプリント】