Akifumi Tanaka/田中 昭史 “かつてそこには生活があった-長野県美麻村高地地区の記録 1970/71” 2025/06/16 - 2025/06/29 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN
田中昭史の作品は、学生時代に当時社会問題化していた過疎地を1年間にわたって取材したもので、半世紀前の日本の山村の記録として貴重なものとなっています。ぜひご高覧ください。
展示内容/インクジェットプリント、A3モノクロ 36点
【2025年6月16日発売】
写真記録冊子『かつてそこには生活があった 長野県美麻村高地地区の記録1970 / 71』
A4判変型 / モノクロ44頁 定価 1,500円(税込)

美麻村は長野県北部長野市の西方に位置し現在は大町市に編入されている。
その美麻村の中心地から南東方向、峠を越えた山中17か所あまりに小さな集落が点在している。その一帯が高地(こうち)と呼ばれている地域である。
明治5年(1872年)美麻村高地地区には110戸の住居があり良質の麻の生産で活気のある地域であった。その後約90年間はわずかな変動はあったものの昭和35年(1960年)にはまだ79戸を保っていた。しかしながら取材当初の昭和45年(1970年)までの10年間に17戸まで激減し、約1年後最後の取材時には11戸となっていた。そしてそのまた10年後の昭和55年(1980年)には全ての住戸が離村し従来からの住民は皆無となって高地地区の集落は消滅した。
昭和45年(1970年)大学4年になった私は写真部に所属していたのだが、卒業にあたって長野に関係した問題を記録に残しておきたいと思い当時社会問題化していた「過疎」を卒業までの一年間にわたって取材することにした。
取材は4年生部員10名の内4名の有志で行ったが、すでに長い年月が経過しているためフィルムの保管等の問題で今回は私の写真で再構成し55年後の今日、かつてこの地にこのような人たちが生活していたという日本の山村の記録としてあらためて展示するものである。
田中昭史