松井正子
『JAPAN IN MY MINDⅡ-不忍池・近江-』

松井正子『JAPAN IN MY MINDⅡ-不忍池・近江-』

松井正子
『JAPAN IN MY MINDⅡ-不忍池・近江-』

¥1,980

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〈Content〉

2021年11月開催の写真展『JAPAN IN MY MINDⅡ』にあわせて刊行。
自身の心象の中にしかない不動の情緒の根源を日本の風景の中に探っていくなかで撮影した写真です。昨年2020年11月に続くシリーズの2作目。

2015年から2021年までに撮影された不忍池と近江の写真を掲載します。不忍池は、上野公園の南西部に位置する周囲2キロメートルの都心部にある最大級の池です。縄文時代は現在の東京湾の入り江だった場所で、平安時代まで続いた海岸線後退によって陸封され生まれた天然湖です。江戸時代以前は人の住めない低湿地帯が広がっていましたが、幕府の命により大都市「江戸」の開発が進むなか大きな天然湖が埋め立てにより消滅していますが、幕府は上野の山に西の比叡山延暦寺に対応させ寛永寺を建立した際に琵琶湖に見立てた景観重視の改造がなされ、江戸の観光地として不忍池は存続しました。江戸時代以来、蓮の名所として知られています。明治時代には、上野不忍池競馬場建設のため池は縮小されました。また、戦後の食糧難を乗り越えるため水田が作られた記録もあります。様々な時を重ねた不忍池は、現在は蓮池・ボート池・鵜の池に分けられ、渡り鳥・留鳥合わせた多くの鳥類が見られる場所として、周りを取り囲むいくつものビルに見守られながら存在しています。また、江戸時代の開発で不忍池の見立て元となった琵琶湖のある近江にて撮影された写真も同時に掲載します。

松井正子『JAPAN IN MY MINDⅡ-不忍池・近江-』
A4判変形/並製/モノクロ32頁
発行:photographers’ gallery
発行日:2021年11月15日
価格:1,800円+税