対談:高梨 豊 × 吉増 剛造
“我らの獲物は一滴の光”


なおトークショーの詳細はphotographers’gallery press no.2に収録されています。
まず両氏の関係は吉増氏が季刊『プロヴォーク』第3号に詩作品「写真のための挑発断章」を、そして高梨豊写真集『都市へ』に「古木、HEAVEN !-高梨豊」を寄せて以来の親交の深い関係であり、また吉増氏自身もこれまでに数多くの写真展を開催してきたということもあり今回の企画展に合わせてなんとしても実現させたいイベントだった。


と、本当ならこれで終わるはずだったこのイベントには続きがある。両氏とも一度だけではまだまだ話し足らなかったようで、こちらから前回の続きをとお願いしたところ快諾していただき、大慌てで企画展最終日となる1月31日にセッティング。
そして最終日、開演30分前を過ぎても吉増氏は現れない、準備をしながら冷や汗をかいていると電話が入る。声の主は吉増氏、話の内容は前回のやり取りを受けて詩を一編書いたので、皆さんにお配りするコピーを取っているので少し遅れます。とのこと。これには高梨氏もpgメンバー思わず驚く開演直前の何とも嬉しいハプニングとなる。いざ始まると参加者に詩が配られ、高梨氏の最新作「WINDSCAPE」に囲まれて朗読する吉増氏の声が響く会場は、前回とはちがう熱気に包まれることとなった。両氏の話は「地名論」を中心に始まり最新作「WINDSCAPE」、さらに東松照明氏の作品へ話が及んだところで写真評論家の飯沢耕太郎氏が飛び入り参加、観客の方達とも意見が交わされながらも残念ながら時間切れとなり、高梨氏からは3回目もやる?と、恐ろしい冗談も出つつ大盛況のうちに終了となった。 (追加対談の内容は photographers’ gallery File 02「我らの獲物は一滴の光」に収録されています。)
(企画担当:王子直紀)

