トークイベント:吉増剛造
“詩ノ汐ノ穴 sinosionoana”

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今回のトークショーは2003年11月13日~26日まで企画展として開催された、「詩ノ汐ノ穴」吉増剛造写真展の期間中である11月13日に、作家の四方田犬彦氏と写真家の高梨豊氏をゲストに招いて行われました。

事の始まりは約一年前に企画展として開催された「我らの獲物は一滴の光」高梨豊写真展。このときのトークショーで高梨氏と吉増氏は、久しぶりの再会ということもあってかヒートアップ、1回だけでは収まりきらずに最終日に追加対談を行ったのだが、この時に出た3回目もやる?という恐ろしい冗談が結局、気付いてみれば今回の写真展とトークショーというかたちになって実現していた。

トークショーのスタート前にまず、吉増氏がこれまでに撮影した作品をスライドプロジェクター2台とビデオプロジェクターを使ったマルチプロジェクションで再構成する「siono-sino-a, na」を上映。

多重露光によって撮影された作品が更にプロジェクションによって、ネガ・ポジ画像が4重、5重、6重と重なり合って消えていく。見ているうちに一枚の写真というものについて思わず考えてしまうようななんとも不思議な上映会となった。(下部左写真をクリックするとダイジェスト版がご覧いただけます) その後、吉増さんより会場の方へうれしいプレゼントとなる、今回のイベントに合わせて書かれた詩が配られた。


トークショー会場風景(左から吉増剛造、四方田犬彦、高梨豊氏)
トークショー会場風景(左から吉増剛造、四方田犬彦、高梨豊氏)


トークショーでは上映された映像についての話に始まり、吉増氏の作品のきっかけとなった出来事へ。そこから撮影する際のフォーマットやそれが感じさせる時間性について様々な見解が飛び出す。その後は縦横無尽に様々な話が繰り広げられるなか、会場にお越し頂いた方からも鋭い意見が出てきたりといっそう目も耳も離せない展開に。その中でも風景の始まりについての話はとても耳に残るものだった。
聞き入っているうちに白熱したトークショーも、予定時間を大幅に超えてもまだまだ話は続きそうなところで残念ながら終了となった。

また、今回の展示に合わせ「高梨豊+吉増剛造 / photographers’ gallery File 02 我らの獲物は一滴の光」が発行されました。


当日会場にて配られた詩①
当日会場にて配られた詩①