Kazutomo Tashiro/田代 一倫
“When hamayuris are in bloom: 2013 spring/
はまゆりの頃に 2013 年 春” 2013/11/06 - 2013/11/24 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN

2013年4月19日岩手県盛岡市玉山区芋田 「啄木が先生の時、私のお母さんが生徒でした」石川啄木記念館の近くでお会いした女性です。
2013年4月19日岩手県盛岡市玉山区芋田
「啄木が先生の時、私のお母さんが生徒でした」石川啄木記念館の近くでお会いした女性です。
田代一倫は2011年4月15日より、東日本大震災に見舞われた沿岸部をはじめ、内陸の山間部や都市部に住む人々と、会話をしながら繰り返し撮影を行っています。2012年、田代は広範囲にわたって撮影を続けながらも、「春」は仮設住宅で暮らす人々、「夏」は東北一の歓楽街である国分町を行き交う人々、「秋」は放射能被害により避難生活を余儀なくされている楢葉町の人々、そして「冬」には福島第一原発で働く人々を重点的に撮影し、それぞれの季節に撮影した作品をphotographers’ galleryで発表してきました。田代は、この4回の連続展で、本年度の「さがみはら写真新人奨励賞」を受賞しています。
続編となる本展では、「震災から3年目の春を迎えたこの時期に、今まで撮影したすべての土地をまわりたい」と田代が言うように、沿岸部、山間部、都市部、そして2012年に重点的に撮影した地域の人々すべてを撮影対象としています。作品からは、春の柔らかな日差しの中に佇む人々と、田代との関係性が見てとれます。それは、変化し続ける被災地の状況に敏感に反応しながら自問していった、田代の写真家として
の立ち位置の答えを示しているようにも思えます。そして、本展と同時期に、写真集『はまゆりの頃に 三陸、福島 2011~2013年』(里山社)が刊行されます。496ページに及ぶ重厚な写真集です。展覧会とあわせて、ぜひご覧下さい。

展示内容/C プリント 510×608mm 約40 点


2013年4月29日茨城県北茨城市関本町富士ヶ丘 かつて、常磐炭坑で炭坑夫として働かれていた男性です。
2013年4月29日茨城県北茨城市関本町富士ヶ丘
かつて、常磐炭坑で炭坑夫として働かれていた男性です。
2013年4月25日宮城県牡鹿郡女川町鷲神浜 「みなしに住んでます」 この地域では、仮設住宅でなく、借り上げの住居で自宅に帰る日を待つ方々のことを「みなし」と呼ぶそうです。なぜそう呼ぶようになったかは分からないそうです。
2013年4月25日宮城県牡鹿郡女川町鷲神浜
「みなしに住んでます」
この地域では、仮設住宅でなく、借り上げの住居で自宅に帰る日を待つ方々のことを「みなし」と呼ぶそうです。なぜそう呼ぶようになったかは分からないそうです。


写真集『はまゆりの頃に 三陸、福島 2011~2013年』(里山社)
2013 年11 月初旬発売
著者 田代一倫(本作で2013 年さがみはら写真新人奨励賞受賞)
装丁:鈴木成一デザイン室
菊判(225 ㎜ ×148 ㎜)
本体3,800 円+税
カラー496 ページ+ 別刷月報8 ページ
ISBN 978-4-907497-00-2 C0072

折込寄稿執筆=赤坂憲雄(民俗学)、伊藤俊治(美術史)、
大島洋(写真家)、倉石信乃(写真史)
http://satoyamasha.com/?cat=2