Takuro Yoneda/米田 拓朗
“Rest in Peach” 2022/12/17 - 2023/01/15 12:00 - 20:00 会期中無休 / DAILY OPEN

*12/29(木)〜1/5(木)は休廊
Closed from 29th Dec to 5th Jan.
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本展では、福島の県北地方(福島市・伊達市・桑折町・国見町)の桃園にて夏に撮影された作品を展示致します。春の桃園を撮影した前回(2022年6月)に続いての開催となります。
天高くまで入道雲が湧き立ち、照りつける陽射しに目を伏せたくなるような夏の頃、桃の収穫は盛りを迎えます。産毛が日光にきらめき実が丸々と膨らんでくる時期になると、葉の生い茂る樹の下に銀や白の反射シートを敷き詰め、着色を一気に加速させます。「はつひめ」「暁星」「あかつき」「まどか」「川中島白桃」「幸茜」……、早生から晩生まで収穫期の異なる品種の桃を、葉陰に潜り込んでもぎとっては籠に詰める作業を来る日も来る日も繰り返し、「桃の暦」に巻き込まれるようにして日々は過ぎていきます。
農作業は毎年、天候の変化を読みながら手探りで、しかしはっきりと順序立てて進められます。
とはいえ農家でさえ、その作業ひとつひとつが桃の出来にどう関わっているのか、外からはその秘密を知ることができません。天候不順などの偶然にも左右され、実を結ぶかどうかあらかじめの約束は交わされないなか、人々は陽の光を浴びて赤く色づく桃の姿を思い描いて、黙々と作業をこなしていきます。そして夏の盛りに、たわわに実った桃を手にしたときはじめて、それまでの作業ひとつひとつに思いを巡らせるのです。
米田は福島第一原子力発電所事故後の2011年8月に撮影を開始しました。「桃は待ってくれない」と原発事故のさなかも畑に出ていた人々の、誰に見せるためでもなく、ただ桃の実りに向かって作業する姿を傍らで見続けること。人々が拠って立つ土地と地名のもつ響きが書き換えられてもなお、誰にも奪われることのない「安住の地」はどこか。「Rest in Peach」にはその問いが反響しています。


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【同時開催】 Keizo Kitajima/北島敬三「PORTRAITS-G」
2022年12月17日(土)〜2023年1月25日(水)
*12/29〜1/5、1/16〜1/18は休廊
KULA PHOTO GALLERY(photographers’ gallery同フロア)
PORTRAITS-G