

本展では、鹿児島県吐噶喇(トカラ)列島にて撮影された作品を展示いたします。
吐噶喇列島は、九州と奄美・沖縄に挟まれるかたちで点在する有人7島と無人5島の島々で構成されています。終戦後に北緯30度線が国境線となり列島が分断されたのち、1952年に本土復帰を果たしています。2016年には領海保全を目的とした有人国境離島法が成立するなど、個々の暮らしがいまもなお政治情勢に左右され続けている場所でもあります。
王子は2007年に吐噶喇列島を訪れてから、厖大な量のスナップショットを撮り続けることで吐噶喇列島という場所に関わってきました。「吐噶喇」では場所をあからさまに象徴するようなものが写されることはなく、そこに暮らす人や動植物、看板や建物などが、ときにはてらいなく真正面から、ときにはブレやボケをともなって写されています。王子はそうした写り方を、効果や演出としてではなく、カメラという光学装置を媒介にすることでしか得られない原理的なものとして肯定し、受け入れてきました。
そうして写された写真はどこか馬鹿馬鹿しさや滑稽さ、ときには寂しさや機知を感じさせると同時に、その場所に触れさせられたような感覚を与えます。王子にとって「吐噶喇」は、象徴的ではないものを撮り、カメラの原理を肯定し続けるなかで吐噶喇という場所を立ち現そうとする試みです。
また、2020年3月より小冊子シリーズとして『吐噶喇』の刊行を始めています。本展に併せ第5号を刊行予定です。ぜひ、ご高覧ください。
【展示内容/インクジェットプリント12点】
【同時開催】Kota Kishi/岸幸太「潮騒」
2024年1月10日〜2月6日
KULA PHOTO GALLERY(photographers’ gallery同フロア)
王子直紀写真展「吐噶喇」 (2024年1月) にあわせて刊行された、写真集シリーズ第5号!
王子直紀「吐噶喇 5」
A5判変形/中綴じ/モノクロ32頁
/スリップケース入り
発行:KULA
発行日:2024年1月10日
価格:900円+税
→shopへ
2014年以降の三陸、福島の被災地域のほか、日本各地の海岸線や海の記憶をもつさまざまな地域を交え、順次刊行されてきた小冊子シリーズ『SHORELINE』、2020年よりあらたに刊行された小冊子シリーズ『Park』の最新刊。
B5判変型/8+1頁/カラー 発行:KULA 定価:300円(税込)
Publish date: Dec, 2023 / 8+1 pages, Booklet, color
price: 300 yen (tax included)
→shopへ『SHORELINE 44』
→shopへ『SHORELINE 45』
→shopへ『Park 7』
B5変型判/並製・スリーブケース入
80頁/和英併記/限定700部
エディションナンバー・サイン入
–
テキスト:倉石信乃「写真の帰る場所」
デザイン:纐纈友洋
–
発行年:2023年
発行:Kula Books
定価4,200円+税
ISBN 978-4-907865-38-2
「Winter Wanderings Ⅲ ―Azores,1978/2019―」は、1978年と、その41年後となる2019年にアゾレス諸島サン・ミゲル島で撮影された長い年月を隔てた二つの時代の「冬の旅」の写真である。アゾレス諸島は、大西洋上の中央部に位置する火山が起源の九つの島からなる群島である。現在はポルトガル領の自治権を持つ一つの行政区。二つの時代の写真の対話は、時を重ねて変化する被写体の「時の扉」を探る試みであった。しかし、被写体の中の時は、一律に刻まれておらず、無限に重ねられ過去が地層のように、「動く時」「静止する時」「風化する時」として混在していた。それと同時に二つの時代の写真から現れたのは、変化する撮影者自身の目であった。
『Winter Wanderings Ⅲ – Azores, 1978/2019 –』
A4判変形/並製/カラー17頁・モノクロ18頁
発行:photographers’ gallery
発行日:2023年11月30日
価格:1,800円+税
→shopへ

2023年11月開催の写真展『Winter Wanderings–Japan, 2021~2023–』にあわせて刊行。2022年より続く「Winter Wanderings」のシリーズ。
コロナ下の2021年から2023年の「冬の旅」で撮影された風景。当たり前であったことが根底から揺らいでいた閉塞した時期に、思考を縛る既存の言葉から解き放たれた風景を求めた写真である。
2撮影地:北海道檜山郡江差町・函館市、青森県八戸市鮫町、栃木県足尾市・日光市、茨城県桜川市真壁町・久慈市太子町、千葉県香取市・佐原市、富山県南励市城端町・富山市岩瀬港町・高岡市・氷見市等
松井正子『Winter Wanderings Ⅳ – Japan, 2021~2023 –』
A4判変形/並製/カラー27頁
発行:photographers’ gallery
発行日:2023年11月25日
価格:1,800円+税
→shopへ
街を歩いて写真を撮るシリーズ「連荘」の第4弾。大阪市南部、京都の崇仁地区やウトロ地区、東京都東部などで撮影された写真で構成。
岸幸太『連荘 4』
A4判/中綴じ/カラー36頁
限定300部
発行:KULA
発行日:2023年9月26日
価格:1,500円+税
→shopへ
『連荘4』の表紙にもなった大阪市東成区にある元町銀座街。その商店街の写真だけで構成。
岸幸太『元町銀座街』
A5判変型/中綴じ/カラー16頁
限定300部
発行:KULA
発行日:2023年9月26日
価格:500円(税込)
→shopへ

B4判変型/192ページ/スリーブケース入り
テキスト:高橋しげみ
印刷製本:株式会社アイワード
発行:BankART1929
通常販売価格:4,800円+税
→shopへ