
西洋における17世紀以前の絵画の主題の多くは、人物や静物でした。それらの背景に過ぎなかった風景それ自体が、中心的に描かれるようになった風景画の誕生は、「風景の発見」とも呼ばれ、これまで幾度となく議論が交わされてきました。それは、ときとして「主観-客観」の二元論を補強する装置とみなされ、あるいは事象を伝えるための媒体として扱われることもありました。
まさしく近代を考察する上で、風景は重要な位置を占めてきたのです。一方写真の発明は、光学によって得た像を化学的に定着するという点で、現象そのものの応用と言えます。人の手を介することなく得られた像は、写真家自身を捨象する可能性を持つでしょう。
風景写真はその意味で、主題も主体も両方共に宙づりにされた状態だと言えなくもありません。しかし、風景写真の眼差を丹念に辿ればやはり、直接触れることのできない「他者」への希求が、見えてくることがあります。企画展「風景の再来」は、風景を「自己」と「他者」が交差する場と捉え、風景写真の新たな地平を切り開こうとするものです。
【展示内容/ゼラチンシルバープリント 8点】
https://pg-web.net/exhibition/fukeinosairai-vol-1/

釜ヶ崎、山谷、寿町を撃つ
ドヤ街と呼ばれる場所で撮影された写真は、自らが属する社会の傷としてここに差し出されている。
写真家・岸幸太による第一写真集。
岸幸太写真集『傷、見た目』
定価:10,000円+税
A4 判/布クロス装上製/232頁/モノクロ204点
高橋しげみ(キュレーター)、倉石信乃(詩人・批評家)による論考を収録
発行:写真公園林
発行日:2021年3月1日
ISBN: 978-4-908435-14-0
特集:「人類館」の写真を読む
[論考]小原真史「人類館」の写真を読む 図版80点掲載!
[誌面キュレーション]小原真史「帝国のショーケース:博覧会と〈人間の展示〉」 図版112点掲載!
B5判/360頁/日・仏・英・中
発行:photographers’ gallery
発行責任:北島敬三
編集責任:岸幸太
デザイン:纐纈友洋
発行日:2019年12月20日
定価:2,500円+税
ISBN978-4-907865-31-3 C0072
https://pg-web.net/shop/pg-press-file/photographers-gallery-press-no-14/