
80年代半ば、まだ学生だった私は、好奇心をあらわに近寄ってきて、目を輝かせながらも少し恥ずかしそうにしている子どもたちや、朗らかでしたたかな人びとのエネルギーに惹きつけられて、この町を歩いた。ホーチミン近郊のクーチ、メコンデルタの島、さらにはハノイまで、国道1号線を北上し17度線を越え、途中で古都フエ、ホイアン、ヴィンなどにも立ち寄った。自分の中ではベトナムが終ってから写真を始めた意識でいたので、これらのネガは長いあいだ放置していたのだが、ようやく見直す気持ちが生まれた。もう忘れてしまっていたことばかりだし、ベタを見ても思い出せる範囲は限られているのだけれど、ぬくくてエネルギッシュな町の息吹は、身体のどこかに染みついている気がしてならない。再訪まで30年も経ってしまったが、変貌した町並みに驚き、自転車の洪水はバイクに取って代わられたけれど、変わりようがない空気も体感し、また、ベトナム病が再発しそうだ。
楢橋朝子


角田奈々が福岡アジア美術館で開催されるグループ展”土地を紡ぐ”に参加します。
『九州で生まれ育ち、福岡で写真を学んだ若手写真家(角田奈々、田邉成実、錦戸俊康、唄野加奈、松岡美紀、山野雄樹)6名が集まり写真展を開催致します。それぞれが、自分の置かれた環境や状況に疑問を持ち、なにかしら「故郷」に対しての思いを感じて撮影をしています。この展覧会を機に「故郷」「九州」そして「アジア」を見つめるきっかけとなれば幸いです。』
“土地を紡ぐ”
■期間:2016年7月7日(木) 〜 2016年7月12日(火)
■会場:福岡アジア美術館 7階企画ギャラリーC 福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7・8階
■開館時間 10:00~20:00
■ギャラリートーク:7月9日(土)14:00〜
http://faam.city.fukuoka.lg.jp/exhibition/detail/354


Asia photographer’s galleryは、2006年から2011年までの期間、福岡市で写真家が運営していたギャラリーです。角田は、2008年より運営に参加、2010年から代表として活動していました。2014年4月からphotographers’ galleryの活動に参加し、個人的にAPGを継続していくためにAPG通信を発行していきます。
『ベトナムに1 ヶ月間滞在してから日本に戻って来ると、浦島太郎のようになり、戸惑う瞬間が何度かある。福岡で働いていたとき、帰国後も同じ職場に戻らせてもらう予定だったが、いざ会社に戻ってみると、新しい人が入社していて、社内の雰囲気や会社の人の私に対する接し方が変わり、居心地が悪くて辞めてしまったことがあった。仕事を1 ヶ月もお休みさせてもらっておいて復帰するなんて、虫のいい話だとわかっていたつもりではあった。そんなことから、仕事を辞めてから撮影に行った方が、手間はかかるけど気持ちは楽なのだと気がついた。…』(APG通信 39 浦島太郎より)
▼『APG通信 39-40』
https://pg-web.net/shop/pg-kula/apg39/
https://pg-web.net/shop/pg-kula/apg40/


https://pg-web.net/shop/pg-kula/shoreline-21/
https://pg-web.net/shop/pg-kula/shoreline-22/
https://pg-web.net/shop/pg-kula/shoreline-23/
https://pg-web.net/shop/pg-kula/shoreline-24/

北島敬三の連続写真集、第8号。年4回のペースで全20刊以上を刊行予定です。
B4変型/中綴じ/カラー16頁
発行:KULA
発行日:2016年4月26日
価格:2,000円+税
プリント付Special Editon
エディション12、特製函
価格:30,000円+税
大島は2015年3月に開催した展覧会“濡れた光景”で印画紙やレーザープリントの写真にアクリル絵具で彩色をした作品を発表しました。大胆に色で覆われた人物や街の風景、また一度描いた絵を破り貼り合わせたものなど、新たな手法を用いて製作されました。これらの展示作品をまとめた作品集『濡れた光景』は、1冊毎に表紙にペイントが施されています。

年1回発行の機関誌『photographers’ gallery press』の最新号、第13号。
contents
[収録]増山たづ子 ミナシマイのあとに
「増山たづ子 ミナシマイのあとに」展関連トーク1
赤坂憲雄×野部博子×小原真史
「増山たづ子 ミナシマイのあとに」展関連トーク2
大牧冨士夫×篠田通弘×小原真史
[収録]「どこにいても」――墓とその代補をめぐって
鵜飼哲
似島の位置
倉石信乃
三脚写真論
橋本一径
[邦訳]なんという感動! なんという感動?
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 橋本一径訳
[再録]イメージで思考する
――ジョルジュ・ディディ=ユベルマンに聞く
聞き手 橋本一径
Think by Images: An Interview by HASHIMOTO Kazumichi with Georges Didi-Huberman
[再録]写真史を書き換える
――ジェフリー・バッチェンに聞く
聞き手 甲斐義明
Rewriting the History of Photography: An Interview by KAI Yoshiaki with Geoffrey Batchen
[再録]解説:ジェフリー・バッチェン『Forget Me Not――写真と記憶』
前川修
[再録]コンテンポラリー・フォトグラフィーと反演劇性の伝統
――マイケル・フリードに聞く
聞き手 甲斐義明
Contemporary Photography and Antitheatrical Tradition: An Interview by KAI Yoshiaki with Michael Fried
[再録]マイケル・フリード『なぜ写真はいま、かつてないほど美術として重要なのか』についての覚書
林道郎
Notes on Michael Fried’s Why Photography Matters as Art as Never Before HAYASHI Michio
解説:その後のジェフリー・バッチェンとマイケル・フリード
甲斐義明
B5判/並製/324頁
発行:photographers’ gallery
定価:2,000円+税
https://pg-web.net/shop/pg-press-file/photographers-gallery-press-no-13/