この度、photographers’ galleryでは企画展として浜昇写真展「From Scratch」を開催いたします。
1960年代末の学生運動や70年安保闘争に象徴される「政治の季節」が終焉を迎え、大衆消費社会に突入してゆく80年代との狭間にあった1970年代後半、浜昇は新宿を中心に街の至る所に残されたスクラッチ(傷)を記録した写真を繰り返し発表するようになります。そしてそれらの写真は、日本中がバブル景気に沸く1990年、写真集『フロムスクラッチ』として浜自身が設立した出版社・写真公園林から刊行されます。
本展では、写真集『フロムスクラッチ』の編集・印刷に際して制作された、写真集未収録カットを含むプリントを現在の浜の視点から再構成し展示します。それらの写真には、ショーウインドウや外壁、看板や地面などに残された傷が、汚れや染み、反射や影、ときにはガラスの向こう側の景色と分かち難く渾然となって写し出されています。キャプションによって指し示される地名や撮影年に反して、写真には具体的な場所や時代を読み取るための手掛かりはほとんど残されていません。撮影から50年近くの時間が経過し、傷をつけたものも傷をつけられたものも喪われてしまったであろう現在にあって、ドキュメントとして残されたスクラッチの写真から再開される思考はどのようなものか、その再考の場として本展を企画しました。ぜひご高覧ください。
反権力でも反エスタブリッシュメントでもない、コンセプチュアルフォトでもない、1970年代のドキュメントである。
イデアから解き放たれ右往左往しながらも、ちょっとした抉られた穴や亀裂や狭間といった 「雑草」が育むささやかな場所に、それぞれがひとりになって帰っていったそんな時代であった。写らぬ写真に「写るってなんなの、写真ってなんなの」とつぶやきながら街を歩く。写真展「イルミネーションin Tokyo」が1977年、その後「変奏」、「表層の戯れ」へと名づけを移りゆきながら80年代初頭までつづいた。
写真集『フロムスクラッチ』の出版にあたり、それらの写真を振り返り編集作業をくりかえしていくなかで、だんだんと、より人やモノが削り去られ、痕跡だけが残っていった。見られることでしか存在しない写真というメディウムは、プリントやフィルムというモノであるかのように見えても、それ自体モノとしては希薄である。そんな在るか無きかの写真の在りかたがこの時代のリアルであり、写真のリアルでもあったならどうだろう。写真集を手にした東松照明のひとことは「なにもない」だった。From scratch(始めから)。浜昇
【同時開催】
Keizo Kitajima/北島敬三「PORTRAITS-L」
2023年7月23日〜9月19日
KULA PHOTO GALLERY(photographers’ gallery同フロア)

昨秋BankART Stationにて開催した北島敬三「UNTITLED RECORDS」展が、好評を得て再び帰ってきます。「UNTITLED RECORDS」に加えて今回は、「PORTRAITS」シリーズから47点のプリントを、約50mの壁面に展開いたします。
会場:BankART Station(〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅B1F)
会期:2023年9月8日[金]~10月22日[日] 11:00-19:00
入場料:600円(会期中受付にて写真集購入の方は入場無料)
主催:BankART1929 共催:横浜市にぎわいスポーツ文化局
https://pg-web.net/news/keizokitajima-230804/
https://www.bankart1929.com/index.html#event
詳細PDF

B4判変型/192ページ/スリーブケース入り
テキスト:高橋しげみ
印刷製本:株式会社アイワード
発行:BankART1929
通常販売価格:4,800円+税
→shopへ
東京都写真美術館にて開催中の企画展「風景論以後」に笹岡啓子が参加しています。
「風景論以後」
会期|2023年8月11日(金・祝)—11月5日(日)
会場|東京都写真美術館 B1F 展示室
主 催|東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、日本経済新聞社
助 成|公益財団法人ポーラ美術振興財団
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4538.html
◎詳細PDF↓
https://topmuseum.jp/upload/3/4538/AftertheLandscapeTheory_flyer.pdf

橋本一径の論文「最初で最後の写真論?——ロドルフ・テプフェールの「ダゲール板について」(一八四一)をめぐって」が『美術フォーラム21』第47号(38-43頁)に掲載されています。ぜひご覧ください。
『美術フォーラム21』 第47号
http://www1.odn.ne.jp/daigo-shobo/contents/bf21/bf047.html
王子直紀写真展「川崎」 (2023年4月) にあわせて刊行された、写真集シリーズ第5号!
A5判変形/中綴じ/カラー32頁/スリップケース入り
発行:KULA
発行日:2023年4月23日
価格:900円+税
▼詳細、ご購入はこちらから
https://pg-web.net/shop/pg-kula/kawasaki-5/
2014年以降の三陸、福島の被災地域のほか、日本各地の海岸線や海の記憶をもつさまざまな地域を交え、順次刊行されてきた小冊子シリーズ『SHORELINE』、2020年よりあらたに刊行された小冊子シリーズ『Park』の最新刊。
B5判変型/8+1頁/カラー 発行:KULA 定価:300円(税込)
SHORELINE 43/Park 5, 6
https://pg-web.net/shop/pg-kula/keiko-sasaoka-shoreline-43/
https://pg-web.net/shop/pg-kula/keiko-sasaoka-park-5/
https://pg-web.net/shop/pg-kula/keiko-sasaoka-park-6/