笹岡啓子
「Equivalent」

笹岡啓子  「Equivalent」

笹岡啓子
「Equivalent」

¥2,515

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〈Content〉

笹岡 啓子 写真集「Equivalent」 笹岡 啓子 写真集「Equivalent」 笹岡 啓子 写真集「Equivalent」

本書『Equivalent』は、笹岡が写真家としての活動の最初期から継続して撮影している「風景」のシリーズによって構成されています。このシリーズは、2001年の自身初となる個展で《習作》として発表されて以来、《限界》、《観光》、《水域》とタイトルを微妙に変化させながら、自然と文化の境域をめぐって試行錯誤が続けられてきました。撮影地は、辺戸岬、屋久島、久万高原、下北半島、納沙布岬など現在も辺境・秘境と呼ばれているような場所がほとんどです。「釣り人の後を追えば、必ずどこかの磯に出られるものだ」と語るように、笹岡は日本各地の海岸線や稜線を丹念に歩き辿りながら撮影してきました。この体力勝負のような撮影行為は、けっして秘境というユートピアを探す旅ではありません。すでに写真イメージによって増幅された世界に生きる私たちにとって、誰も見たことがない場所やはじめて見るような場所が、どこにもないことは作者も十分に知っています。作者がこのシリーズに賭けたものは、「Park City」がそうであったように、なによりもまず写真に撮ってそれを見ることが「新しい体験」になるという、忍耐を要する確信にほかなりません。無数の写真イメージの集積がすでに私たちの世界観を成しているのだとすれば、この『Equivalent』は、笹岡啓子の写真によって生み出された新しい「秘境」なのです。

晴れ上がってしまうとすべてがフラットで、嵐や吹雪になれば何も見えない。当たり前のことだが、私の撮影はいつも天候に左右されてきた。それでも、そこにたったひとりの釣り人が現れれば、世界は変わった。 (笹岡啓子)

笹岡啓子「Equivalent」
W156×H180mm/上製/42頁(カラー写真19点)
限定600部
発行:RAT HOLE GALLERY
定価:2,286円+税