Mitsunori Kurashige/倉重 光則
“disPLACEment―「場所」の置換 vol. 2”  2007/02/13 - 2007/03/04 12:00 - 20:00 月曜休 / MON CLOSED

kurashige_400 本展は、2005年5月に開始した展覧会「disPLACEment―「場所」の置換」の第2弾にあたる。今回は、1960年代末から今日に至るまで、精力的な試行を継続している美術作家・倉重光則の個展である。展覧会は、新作インスタレーションと、福岡県志賀島において1970年に制作した作品(現存せず)の記録写真に基づく展示によって構成される。そこでは、新作における現在と現存しない作品における過去といった時間的な隔たり、また同時に、東京と福岡あるいはギャラリー空間と屋外空間といった場所の隔たりを発見することになるであろう。
グローバル化に伴い、場所と時間の固有性が不確かなものになりつつある現況において、美術「作品」はその存立の根拠において、ますます危機的な状況を迎えている。ならば、今日における「作品」は、場所や時間をいかに“disPLACEment”するかという「問い」に対して差し向けられるべきであろう。本展では、そのような” disPLACEment”的問題に対して、ひとつの回答を与えることを目論んでいる。

土屋誠一(美術批評家)

倉重光則 KURASHIGE Mitsunori 略歴
1946年 福岡県久留米市生

個展
1997年 「不確定性正方形」コスタリング/メイヤーギャラリー(ドイツ、ミュンヘン)
2003年 「倉重光則展」伊丹市立美術館(兵庫)
     「depth of blue ─ 青の欲動」神奈川県民ホールギャラリー(横浜)
2005年 「青い欲動 ─ Depth of Blue」LA アートコア・センター(ロサンゼルス)
2006年 「倉重光則展 ─ Indefinite Square」ギャラリー現(東京)
グループ展
1994年 「矩形の森──思考するグリッド」埼玉県立近代美術館(浦和) 
1999年 「artist’s」D.O.G KUNST(ドイツ、ノイマーク)
2001年 「現代美術の手法6──光とその表現展」練馬区立美術館(東京)
2002年 「都会のロビンソン──日独現代美術家展」C・スクエア(名古屋)
     「Memorabilia」ゴライアス・ヴィジュアル・スペース(ニューヨーク)
2003年 「九州力──世界美術としての九州」熊本現代美術館(熊本)
2004年 「Hand in Hand / Contrasts」クブス ハノーヴァー(ハノーヴァー、ドイツ)
2005年 「世界の呼吸法–アートの呼吸・呼吸のアート」川村記念美術館(千葉)


土屋誠一 TSUCHIYA Seiichi 略歴
1975年生。美術批評家。2003年、「失くしたものの在処をめぐって 斎藤義重、一九七三年、再制作」によって<第12回芸術評論募集(主催:美術出版社)>佳作受賞。以後、美術、写真にかかわる評論活動を展開する。pg-web.net内off the galleryにて「試評」連載中。