掲載誌:photographers’ gallery
『アサヒカメラ』2001年2月号

写真ギャラリーの移転・閉廊がつつき、写真ファンにとっては「巡りなれた道」が様変わりした東京だが、写真家と写真家をめざす若者16人が共同運営する「photographers’ gallery」新宿2丁目にオープンする。

16人の中には、写真家・北島敬三の名前がある。新しいギャラリーは彼がかつて参加していた、森山大道を中心とする「CAMP」があった場所のすぐ近くで、いまだにディープな遊楽街でもあることから、オープン前からイメージは膨らむ。が、北島は言う。「たしかに自主ギャラリーではあるんですが、それが盛んだった時代とは単純には比較できないですね。かなり違っている気がします。若い参加者が多いけれど、ぼくを中心としたワークショップではなく、全員が表現者として対等なんです。参加者同士の関係もドライだし、集団を名乗る感じではないんです」

出品作家が全員女性であるオープニング展以後、参加メンバーの個展を行い、企画展も検討するほかウェブサイトも制作中だという。北島を始め参加者にあっていると、「撮りたい」「発表したい」という声が元気よく聞こえてきて、それが嫌味でなく期待を抱かせる。世紀は変われどその濃厚さをまだまだ失っていない新宿2丁目訪問をかねたギャラリー巡りの道を、写真ファンのみなさんは練り直してみていただきたい。