写真の現場検証ー1 “21世紀美術館の展望”

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2004年12月5日(日) 18:30開場 19:00開演

一部:レクチャー  暮沢剛巳(美術批評家)
二部:シンポジウム 暮沢剛巳、前田恭ニ(読売新聞記者)、立木祥一郎(青森県立美術館整備室学芸員)

写真:kunsthaus Graz
写真:kunsthaus Graz

日本で写真が美術館に展示される状況が、ごく自然なことだと感じられるようになったのは、1980年代中頃あたりからではないでしょうか。当時は「写真美術館」や「美術館の写真部門」で開催される 「日本の現代写真」といった内容の写真だけで構成される展覧会が多く、まだ「美術」と「写真」のあいだにはジャンルとしての境界線がひかれていました。 ドイツ、アメリカで「美術と写真」というタイトルの展覧会が開かれたのもその頃です。しかし現在においては、美術と写真の間には境界線はあまり感じられません。 むしろ、積極的に写真が現代美術展に召喚されているようでもあります。ここ10年で、あきらかにギャラリー、美術館での展示を前提に制作をする写真家が増加していますし、逆に、油絵を描いていた美術家が写真作品を作り始めたりするという事態に至っています。このたびphotographers’galleryでは、こういった状況をより具体的に把握していくために、「21世紀美術館の展望」というテーマで日本の美術館の現状に詳しい暮沢剛巳さんにレクチャーをお願いたしました。 又、シンポジウムでは、暮沢剛巳さんの他、立木祥一郎さん(青森県立美術館設立準備室 学芸員)、前田恭二さん(読売新聞文化部記者)をお招きして、さまざまな角度から、現在の日本の美術館のありようと将来像ついて検討していただくことになっております。

[ 関連イベント報告 ]

写真の現場検証シリーズの第1弾として、「21世紀美術館の展望」というプログラムを開催いたしました。一部のレクチャーは、まず日本の美術館の現状に詳しい暮沢剛巳さんに、最近オープンした話題の美術館を中心に、インターネットのホームページを開きながら、それぞれの特徴、地方自治体との関係などの問題点を、解説いただきました。

暮沢剛巳氏
暮沢剛巳氏
美術館のHPに接続しながらの投映
美術館のHPに接続しながらの投映


続いて立木祥一郎さんより、再来年オープンの青森県立美術館について立ち上げの現場にいる立場から、建物の建設や、作品の購入、奈良美智展他市民プロジェクトについて等、実体験にもとづいたお話をしていただきました。 

建物の構造についての解説
建物の構造についての解説
立木祥一郎氏
立木祥一郎氏


二部のシンポジウムでは、司会進行役を兼ねて前田恭ニさんに加わっていただき、新しい美術館が次々建設される一方で、美術館周辺で起きているさまざまな問題(指定管理者制度、リノベーション、スクワット)について、論議が交わされました。満席の会場からも鋭い質疑が飛び、このシリーズの次回を期待する声も、その後寄せられました。

前田恭ニ氏
前田恭ニ氏
会場の土屋誠一氏からも鋭い質問が-
会場の土屋誠一氏からも鋭い質問が-


※ このシンポジウムの内容は来春4月発行予定の「photographers’ gallery press no.4」に収録する予定です。

テキスト:高橋万里子 Web:中村綾